学会発表

Society for Cutaneous Ultrastructure Research

アルニカによるIL-6産生抑制

SPTM R&D Australia、School of Med, University of Queensland:相生 章博
School of Med, University of Queensland:Roy Kimble、James McMillan

<発表内容の概要>
紫外線によって表皮細胞から産生されるメディエーター(情報伝達物質)の一つであるインターロイキン(IL)-6が、皮膚の炎症反応に関わっていることはよく知られている。ヒト正常線維芽細胞にTGF-beta1(トランスフォーミング増殖因子:動物体内で、特定の細胞の増殖や分化を促進するタンパク質)を添加すると瘢痕由来の線維芽細胞に特徴的なalpha-SMA(α平滑筋アクチン:筋肉の細胞に見られるタンパク質)が誘導されると同時にIL-6の産生も誘導されることは過去の研究で示されている。このことは、創傷や熱傷の治癒過程において中心的な役割を果たすTGF-beta1とIL-6が密接な関係にあることを示している。

我々はLPS刺激によるマクロファージからのIL-6産生をアルニカ抽出物が抑制することは既に明らかにしているが、まったく別の情報伝達経路であり、また細胞も異なる系でのアルニカ抽出物の効果を検討した結果、TGF-beta1刺激による正常線維芽細胞からのIL-6産生もアルニカが抑制することを見出した。さらに、恒常的にIL-6を産生する瘢痕由来線維芽細胞からのIL-6産生に対してもアルニカは有効であった。このことは創傷や熱傷の治癒および瘢痕の予防にアルニカが有効である可能性を示唆している。

学会発表

  1. 日本健康心理学会第36回大会

    『こころと肌』に関する研究2

  2. 第41回日本美容皮膚科学会・学術大会

    プラセンタ抽出物と分画物の有用性(2)

  3. 国際研究皮膚科学会

    培養ヒト表皮細胞での二重鎖DNA導入による細胞老化の誘導

  4. 第26回東アジア看護学研究者フォーラム

    日常生活の光環境とヒトの肌状態との関係

  5. 第26回東アジア看護学研究者フォーラム

    月経周期に伴う身体症状と概日リズムに関連する生活スタイルとの関係

  6. Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications Vol.12 No.1 論文投稿

    Baicalein and Salvia officinalis extract upregulate transglutaminase

  7. Trends in Immunotherapy 論文投稿

    Inflammaging in skin and intrinsic underlying factors

  8. 第28回日本時間生物学会

    睡眠の質および就床前照明とヒトの皮膚との関係

  9. Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications Vol.11 No.2 論文投稿

    ブタ胎盤抽出物の表皮水分保持機能改善によるしわ形成抑制効果

  10. 第33回日本健康心理学会

    『こころと肌』に関する研究1

  11. 第31回IFSCC2020横浜大会

    異常分化により惹起される表皮のバリア機能不全には心理的ストレスが関与する。

  12. Trends in Immunotherapy Vol.3 No.1 論文投稿

    ユーカリ抽出物はPPAR-deltaの活性化を介して皮膚の免疫とバリア機能を制御する

  13. Trends in Immunotherapy Vol.2 No.4 論文投稿

    皮膚炎症治療の標的分子としてのPPAR

  14. 日本薬学会 第138年会

    表皮細胞におけるポリメトキシフラボノイドの抗酸化メカニズムに関する研究

  15. Trends in Immunotherapy Vol.1 No.3 論文投稿

    創傷治癒におけるサーチュインの役割

  16. Glycative Stress Research 論文投稿

    酸化蛋白分解酵素(oxidized protein hydrolase ; OPH)の蛋白糖化最終産物(advanced glycation end products ; AGEs)消去作用と角層中のOPH様活性

  17. 第35回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会

    プラセンタ抽出物外用剤の有効性と作用機序

  18. フレグランスジャーナル 2017年1月号 寄稿

    皮膚糖化ストレスに及ぼす角層中酸化蛋白分解酵素活性の影響

  19. 第41回 日本研究皮膚科学会

    基底膜の再構築における細胞内カルボニル化タンパク質と酸化タンパク分解酵素の役割

  20. 第16回 日本抗加齢医学会総会

    皮膚糖化ストレスに及ぼす角層中酸化蛋白分解酵素(OPH)活性の影響

  21. 第41回 日本香粧品学会

    カルボニル化タンパク質の細胞内蓄積と酸化タンパク分解酵素の関係

  22. 第16回 光老化研究会

    近赤外線に着目した複合紛体の開発と化粧品への応用

  23. 第15回 日本抗加齢医学会総会

    角層中酸化蛋白分解酵素(OPH)活性の活性化成分の探索

  24. 第12回 アジア化粧品技術者会

    光老化に対する新たなアプローチ ~近赤外線に着目した複合粉体の開発と化粧品への応用~

  25. 第12回 アジア化粧品技術者会

    Sapindaceae Dodonaeaの抗酸化効果

  26. 第14回 日本抗加齢医学会総会

    皮膚角層中の酸化蛋白質分解酵素(OPH)活性の検討

  27. 5th International Conference on Natural Products for Health and Beauty 論文投稿

    Euphorbia sarcostemmoides抽出物によるIL-6産生抑制

  28. 日本香粧品学会誌 論文投稿

    アルニカ抽出物による情報伝達物質の産生抑制

  29. 第36回 日本研究皮膚科学会

    myofibroblastでのα-SMA発現におけるIL-6の役割

  30. 第94回日本細菌学会関東支部総会

    各種顔肌状態における表在菌叢の解析

  31. 第36回 日本香粧品学会

    メディエーター産生に対するアルニカ抽出物の有用性

  32. Society for Cutaneous Ultrastructure Research

    アルニカによるIL-6産生抑制

  33. アレルギーの臨床 論文投稿

    ブクリョウによるセラミド合成促進作用

  34. コスメティックステージ執筆

    スキンケア化粧品の皮膚測定におけるトラブルとその対策

  35. 第10回 国際生理人類学会議(豪フリーマントル大会)

    Influence of natural solar enposure for 3 hours to immunological parameters and heart rate variability in humans ~3時間太陽光曝露がヒトの免疫及び心拍数に及ぼす影響~

  36. 第35回 日本香粧品学会

    Poria Sclerotium Stimulatory Effect of Ceramide Synthesis ~ブクリョウによるセラミド合成促進作用~

  37. 第34回 日本研究皮膚科学会 年次学術大会・総会

    Correlation between measure of pigmentation and water content in epidermis ~シミと角層水分量の関係性について~

  38. 第31回 日本光医学・光生物学会

    短時間太陽光曝露が免疫およびパフォーマンス力に及ぼす影響

  39. 皮膚の科学 論文投稿

    製剤中での安定性を向上させたハイドロキノン含有クリームの美白効果

  40. 第25回 IFSCCバルセロナ大会

    A new approach to highly-functional skincare preparations ~高機能なスキンケア製剤への新たな試み~

  41. 日本化粧品技術者会 第62回 SCCJ研究討論会 大阪大会

    ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いたラメラ液晶の調製とスキンケア製剤への応用

  42. 『ゴールドポスター賞受賞』 2007年度 材料技術研究討論会 東京理科大学

    水/ポリグリセリン脂肪酸エステル/高級アルコール/多価アルコール系の相挙動と化粧用ゲル製剤の開発

  43. 日本薬学会 第127年会 富山大会

    化粧品に利用されている和漢植物エキスの活性酸素消去能と皮膚生理との相関性

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