2022年 学会発表

Trends in Immunotherapy 6 (1): 論文投稿

IL-27 regulates cytokine production as a double-edged sword in keratinocytes

株式会社セプテム総研:相生章博
Laboratory of Human Retrovirology and Immunoinformatics, Applied and Developmental Research Directorate:今道友純


<発表内容の概要>
IL-1、IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカインを代表とするsenescence-associated secretory phenotype factor (SASP)の増加を伴う微弱かつ慢性で無症状の炎症で老化が特徴づけられることから”Inflammaging”という概念は注目されている。IL-27はSASPには分類されていないが、炎症時に様々な作用を発揮することが報告されている。今回、我々はヒト由来表皮細胞株HaCaTを使用して微弱炎症環境下でのTNF-αとIL-27の相互作用を検討した。TNF-αはHaCaTで炎症性サイトカインIL-6およびIL-8を誘導するが、抗炎症性サイトカインIL-1RA、IL-10およびIL-18BPは誘導しなかった。機能的IL-27受容体の発現を確認した後、細胞をIL-27で処理するとIL-10、IL-18BPばかりでなくIL-6の発現が誘導された。高濃度のIL-27 (100ng/ml)存在下で生理的濃度に近い1ng/mlのTNF-αで細胞を処理すると抗炎症性サイトカインIL-1RA、IL-10およびIL-18BPの発現が亢進した。以上の結果は、微弱炎症時にIL-27が抗炎症的に働くことを示唆している。

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。
PAGE TOP