広報スタッフが取材しました!

研究の概要

人間には、24時間周期の体内時間(概日リズム)があり、光や食事などによって調節されています。概日リズムを整えることは、28日の月経周期を整え、肌状態の改善にもつながる可能性が考えられます。
しかし、夜に明るい照明やスマートフォンなどの光を浴びる時間が増加した、現代社会での研究はまだ十分ではありません。
そこで、概日リズムに影響を与える光に着目し、生活スタイルが月経周期、特に月経前のニキビなどの肌状態の悪化(肌不安定化)に与える影響を明らかにするために京都大学と共同研究をおこないました。

24時間の体内時間
夜に強い光を長時間浴びると抗酸化作用のついホルモン「メラトニン」の分泌が阻害されてしまいます!

今回はそんな研究です!

学会発表の概要

研究発表
テーマ

生活スタイルが月経周期に伴う
皮膚症状の変化に与える影響
~概日リズム同調因子の視点から~

2023年6月9日(金)~11日(日)、
東京国際フォーラムで
開催された
「第23回日本抗加齢医学会総会」
にて
セプテム総研の西川研究員が学会発表をおこないました。

西川主任研究員

研究結果①

月経前の肌不安定化は20代が最多!

20代のイラスト

女性には、約28日の月経周期があり、関連ホルモンの調節による心身の変動があります。特に、月経開始数日前から生じる心身の不調は月経前症候群(PMS*)といわれ、有経女性の74%にも及びます。
この時期は、皮膚においても不安定さを感じやすく、多くの女性が肌不安定化で悩んでいます。

月経前の肌不安定化の度合いをスコア化して年齢別に比較した結果、20代が最も大きくなりました。
さらに、月経前の肌不安定化を感じた女性のうち、悪化・増加した肌悩み項目は、ニキビの割合が特に20代で高くなりました。

*月経前に現れる身体的および精神的な症状のことです。症状には個人差があり、軽微な人もいれば、日常生活に支障をきたすほど重い人もいます。

例)身体的な症状:肌あれ、腹痛、胸の張り、頭痛、むくみなど / 精神的な症状:不安感、イライラ、気分の落ち込みなど

◎月経前の肌不安定化スコアの
年齢別の比較
月経前の肌不安定化スコアの年齢別の比較
◎月経前に悪化・増加した
肌悩み項目の年齢別の割合
月経前に悪化・増加した肌悩み項目の年齢別の割合
こんなに幅広い年代の人が悩んでいるんだ!!
日本では、まだまだPMSについて理解度が低いことも…。

研究結果②

月経前の肌不安定化には
「朝型」「夜型」が関係!?

朝型夜型のイラスト

早寝早起きで朝に強い人を「朝型」、夜更かしが多く朝に弱い人を「夜型」と定義し、
本人が自覚する「朝型」「夜型」に分けて解析したところ、朝型の人と比べ、夜型の人の方が 月経前の肌不安定化が大きいことが示唆されました。

朝型夜型のイラスト
西川研究員

実は違う可能性があるんです!
日常生活で少し意識を変えるだけでPMSの症状を緩和できる可能性も考えられるんですよ

でも夜型の人が朝型の人の生活をするって大変そう そんな人のための研究結果がコチラ!

研究結果③

自然光を2時間以上感じている人は肌不安定化しにくい!?

自然光を2時間以上感じている人のイラスト

アンケート対象者に日中に屋外で過ごす時間を尋ね、「2時間以上」と「2時間未満」に分けて月経前の肌不安定化スコアとの関係を解析しました。
屋外で2時間以上過ごしている人は、2時間未満の人と比較して肌不安定化しにくい傾向が示されました。
ただし、本研究は冬に実施しているので、今後は日差しの強い夏の場合の研究をすすめる予定です。

西川研究員

自然光を浴びるというより、
「自然光を目で感じる」というイメージです。
「朝起きたらカーテンを開ける」
「窓のある部屋で過ごす」など、
自然光を意識する
と良いですよ。

◎月経前の肌不安定化スコアと
生活スタイルの関係
(重回帰解析)
でも夜型の人が朝型の人の生活をするって大変そう そんな人のための研究結果がコチラ!

「価値が高い」セプテム
メンバーズの
アンケート結果

西川研究員

「セプテムのアンケートはすごいね」とよく言われます。
京都大学の若村教授は社会で生活する人の活躍につながる研究結果を発信したいと考えており、アンケート調査から信頼性の高い多くの回答を得る必要があるんです。
メンバーズの回答は、ご自身の体をしっかり理解しているためか、理に適った結果が得られることが多いです。
だから、メンバーズのアンケートデータは非常に「価値が高い」と評価していただいています。

西川研究員

はい。
今後もぜひアンケート調査にご協力いただきますよう、お願いいたします!

*無回答などの集計に不適正な無効回答を除いた回答数のこと。

なぜ京都大学と
共同研究なの?

西川研究員

京都大学の若村教授には、10年にわたってお付き合いいただいています。
若村教授は「生体リズムと健康」をテーマに、生活環境と人の健康や回復について、日々研究をされています。
そしてセプテム総研は、「ホメオスタシス」に着目し、人が本来持つ力を引き出すための研究をおこなう中で、生体リズムを考慮した研究に重要性を感じたため、共同研究が実現しました。

若村教授と西川研究の写真
▲若村教授と西川研究員

Messageメッセージ

西川研究員

月経前に肌が不安定になる女性は多いですが、その理由や具体的な解決策がわからないまま、スキンケアを工夫したり、不調を我慢をしている方が多いと思います。

この研究の結果を見て、「朝型」「夜型」の生活スタイルなど、
まずはご自身を知ることから始め、自然光を感じる生活を意識することも、皮膚の健康や美容につながる
と考えています。

今後、更に研究を深め、皮膚に限らず、女性がイキイキと生活・活躍できる社会を応援したいと思っています!

西川研究員
▲若村教授 in セプテム総研大阪本社