今回はココにFoucus! 大学との共同研究
医師との協力・検証に基づく開発
お客様視点の評価(使用性・有用性・安全性)

独自のネットワークを
構築しながら
研究の幅を広げています

インテリジェンス
ネットワークの実績

共同研究による新たな価値・創造
目指し
未来のために、
さまざまな新しい研究
取り組んでいます。

これまでもたくさんの
研究ミッションをもって
大学との共同研究
取り組んできました。

日本抗加齢医学会にて、
セプテム総研研究員が研究発表

同志社大学 糖化ストレス研究センター
八木 雅之チェアプロフェッサー 教授との共同研究

◎皮膚の糖化研究

メンバーズの皆さまの顔や腕の状態を測定し、その結果を学会で発表しました。
この結果は、商品開発にも応用しています。

日本薬学会にて、セプテム総研研究員が研究発表

東京工科大学
正木 仁 教授との共同研究

◎表皮細胞の抗酸化メカニズムの
研究

柑橘類の果皮に多く含まれるPMF(ポリメトキシフラボン)に、
さまざまなストレスから肌を保護するための防御系メインスイッチ「Nrf2(ナーフツー)」を活性化(発現)することを確認し、商品開発にも応用しています。

日本健康心理学会・IFSCC2020にて、セプテム総研研究員が研究発表

桜美林大学
山口 創 教授との共同研究

◎こころと肌の研究

ハッピーホルモン「オキシトシン」とスキンケアとの関係性などを研究し、
商品価値を高めています。

このようなさまざまな角度からの研究のなかから、
今回は、2023年5月10日(水)に開催された
「国際研究皮膚科学会」にて発表した研究報告をご紹介します。

セプテム総研の学会発表は
コチラからもご覧いただけます

ざっくり

今回の内容をマンガでご紹介!

  • 老化した細胞は細胞内の核からDNAが漏れ出しいたという論文を読んだ研究・相生研究員
  • これを応用すれば今まで難しかった老化細胞モデルが作れるかも...?
  • 試行錯誤の結果、人工的に作成した老化細胞モデルぶおいて老化細胞の5つの特徴を確認
  • この研究がすすめば...老化に対する「新たな戦略が生まれるかも!?」

〈イメージ〉

学会発表の概要

2023年5月10日(水)~12日(金)に東京で開催された国際研究皮膚科学会(ISID2023)にて、
セプテム総研の相生章博シニアテクニカルアドバイザーが
「二重鎖DNAは、培養皮膚細胞の老化を誘導する」というテーマで研究発表をおこないました。

この研究は、これまで達成されていなかった、表皮細胞から老化細胞モデルを作成することを目的とし、
作成した細胞から老化細胞の5つの特徴を確認することに成功した、というものです。
老化細胞モデルの作成には、
新型コロナウイルス感染症の流行以降注目されている「mRNAワクチン*」の仕組みを応用しています。

人工的に老化細胞をつくり出すことが可能になれば、今後のエイジング研究へ大きく貢献するだけではなく、
化粧品の分野にとどまらず、人々の健康や美容にも大きな影響を与えることができるかもしれません。

シニアテクニカルアドバイザー相生研究員

国際研究皮膚科学会とは?

世界中から皮膚科学領域の専門家が参加し、最新の研究成果や技術、治療法などについての国際会議を定期的におこなっている学術団体です。国際会議では、皮膚疾患の原因や治療方法の開発など、世界的に重要な課題に取り組む研究者たちの交流や協力が促進されています。
2023年は、世界50ヶ国以上約2,500名が集まりました。発表をおこなうためには厳正な審査を通過する必要があります。

*mRNAワクチンとは

メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる分子を使用して、免疫反応を引き起こすワクチンです。ワクチンを打つことで、mRNAが細胞内に入って指示を送り、病原体に対する抗体がつくられます。
今回はこの手法を活用し、小さな脂質の粒子でDNAを包み、その脂質が細胞膜に融合することで、粒子内のDNAを細胞質のなかに入れています。

mRNAワクチンのしく 手法を応用 今回の研究

広報チームが取材しました!

研究のきっかけ

広報今回の研究をはじめたきっかけについて教えてください。
相生研究員 ネズミの線維芽細胞の研究で、老化した細胞の細胞質の中にDNAがあることが示された
(下図参照)という論文を目にしたことが研究のきっかけです。
顕微鏡のイラスト

正常な細胞と老化した
細胞の比較イメージ

正常な細胞ではDNA
ミトコンドリアのみに存在している。
しかし老化した細胞は、ダメージを
受け弱くなった核膜の穴からDNA
漏れ出していた。

正常な細胞と老化した細胞の比較
広報DNAが細胞質に漏れ出すことが老化の指標になるということですか?
相生研究員
そういう可能性があるということが以前の文献で示されていますが、まだ完全には解明されていません。
私たちは表皮細胞でも同様のことが起こるのではないかと考え、共同研究者と最新の論文についてディスカッションするなかで、この研究を進めることになりました。
DNAを細胞質に入れたらどうかというアイデアは、共同研究者であるウイルスの専門家から出ました。
彼はウイルス感染研究などにより、DNAを細胞に入れる知識が豊富であるため、このアイデアが浮かんだのだと思います。
現在、私たちはそのメカニズムの研究をどのように進めていくか話し合っています。
ディスカッションのイラスト
広報さまざまな分野の方々との共同研究だったんですね。
分野が違うのに、老化細胞というひとつのテーマに共通して興味があったんですか?
相生研究員 老化細胞をつくることはたいへん難しく、多くの研究者が興味を持っているテーマでした。
なぜなら、細胞分裂の回数は有限であると何十年も前の研究でわかっており、なかでもターンオーバーが早い表皮細胞は細胞分裂の限界が早く訪れるため、老化の再現が難しいのです。

研究内容

mRNAワクチンの仕組みを
応用して
DNAを入れた
カプセルをつくり、
細胞内に導入することで
老化細胞モデルを
再現
できると考えました!

広報今回の実験では、老化細胞の5つの特徴を確認できたと伺いました。
相生研究員 その通りです。老化した細胞は、面積が大きくなり、扁平になるという特徴があります。下のグラフ(特徴①)では、1つ目の「面積が大きくなる」ことを確認できました。そして画像(特徴②)では、「細胞の境目が不明瞭で、平らになっている」ことを確認できました。
老化細胞の特徴① 細胞の面積が大きくなる 老化細胞の特徴② 細胞が偏平になる

Q.DNAはどうやって
用意したの?

広報今回の研究に使用したDNAは
どうやって用意したんですか?
相生研究員 オーダーしてつくってもらいました。
広報え! DNAって作成できるんですね!
相生研究員 はい、可能です。
オーダーしたDNAは、乾燥した状態で受け取り、溶かして使用します。
小さくて肉眼ではDNAを見ることができないため、溶かすときに何倍になるかを計算しながら使用する必要があります。
計算が結構難しいので、今でも間違っていないか5回ぐらい確認するんですよ。
DNAのオーダーのイラスト
広報次は、「老化関連分泌物」の確認ですね。
相生研究員 はい。さまざまな「老化関連分泌物が分泌される現象」のことを「SASP(サスプ)」といい、周りの細胞に悪い影響を与えることが知られています。今回作成した細胞で、老化細胞の特徴であるSASPの増加を確認できました。
老化細胞の特徴③ 老化関連分泌物 SASPが増加する
広報次が老化マーカーの確認ということ
ですが…。
相生研究員 はい。老化マーカーとは、老化している細胞に特異的に現れる「特徴」のことです。今回作成した細胞で「β(ベータ)-ガラクトシダーゼ」と「γ(ガンマ)-H2AX」という2種類の老化マーカーであるたんぱく質の存在を調べたところ、2種類ともに出現が確認されました。
老化細胞の特徴④ 老化マーカー「β-ガラクトシダーゼ」の出現
相生研究員

Q.老化細胞モデルを
つくるメリットは?

広報今回の結果によって何が得られるのでしょうか?
相生研究員 老化細胞モデルを作成することができると、従来のアンチエイジング理論とは異なるアプローチが可能になり、老化に対する新しい戦略が生まれることが期待されます。
例えば、老化にアプローチする化粧品を開発したとして、老化細胞モデルを使っていなければ、
「どういうメカニズムで老化に有効なの?」となりますよね。
そういった意味でも、老化細胞モデルを作成できるということはアドバンテージになると思います。
老化細胞の特徴⑤ 老化マーカー「γ-H2AX」の出現
広報これで老化細胞の5つの特徴を確認することができましたね。
これは老化細胞モデルの作成に成功したといっても過言ではないのでは!?